まいどー! 有田川ダム上の柴崎おとり店です(^^)/

和歌山県有田川ダム上にある柴崎おとり店のサイトです。 鮎釣りの遊漁券とオトリ鮎を販売しております。 鮎釣りの皆さんお気軽にお越しください(*‘ω‘ *) 柴崎おとり店 〒643-0601 和歌山県有田川町押手770-2 ☎073-726-0413

    有田川ダム上の水況などetc.


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    2020年06月

    「あはい、お願いします」

     と僕はちょこんと頭を下げた。


    「どちらからおいでなさった」

     と男が訊く。


    「津田です。あ、徳島市内の」

     と答えると男は鮎をオトリ缶に移しながら、「へー、津田って海の直ぐそばやろ。なんでまた鮎に」

     と口元を緩めた。


    「転勤族なので。もともとは山育ちですから」

     そう言うと男は納得したような表情をして、コンテナハウスに貼り付けてある大きな地図を指さした。

    「ここで昨日四十七匹釣れてます」

     男は現在地から最短で行ける近道を僕に教えた。


    「ブクブクを持ってなくても十五分ぐらいで着きますよ」

     またブクブクと言われた。おそらくオトリ缶に空気を送るポンプのことだろう。


    「ただこのオトリ缶では着いた頃にガタゴト道なんで水が無くなってしまいます。これでもかぶせて行きなさい」

     とタオルを濡らしたのをオトリ缶にかぶせてくれた。


     僕は丁寧にお辞儀をして言われた場所に車を急がせた。


     きっとそのような場所は釣り人でいっぱいなのだろう。

     初心者なのでそのようなところにはあまり行きたくはないが、男の親切に応え無ければという気持ちにもなった。


     現地に到着した。沿道に車が三台止まっている。

     意外に少ないので少し安心をした。


     河原は藪に覆われて見えない。

     ここから小道を歩いて行かなければならない。

     オトリを一刻も早く川の水につける必要がある。


     助手席にあるオトリ缶のタオルをそっとめくった。

     良かった。

     オトリは丸いオトリ缶の中をゆっくりと泳いでいた。

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    気分転換に今まで履いたことのない黄色を買いました。
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    で、青いシャツ着て
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    赤い帽子かぶったら
    信号機ですね( *´艸`)
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    いつも釣果は赤信号が点滅ってか!
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    ニンニク丸かじりで乗り切るどーオー(^^)/
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     僕は礼を言うと急ぎ足で車に戻り、オトリ缶を助手席の足下に置いて車を発車させた。

     赤い橋へとアクセルを踏む。


     近道らしき河川敷の舗装されていない狭い道を飛ばした。

     五分ほどで赤い橋の袂に着いた。


     河原まで車で下りられる道がついている。

     幸い釣り人はいない。

     僕は胸を躍らせながら橋の真下の日陰に車を進めた。


     ふと、オトリ缶に目をやるとオトリ鮎が二匹とも白い腹を返している。

     オトリ缶には水がほとんどなかった。

     スピードを上げた道中にオトリ缶の水が飛び散ちりオトリが死んでいた。


     意気消沈した。恥ずかしくてさっきのオトリ店には戻れない。

     仕方なく僕は別のオトリ店を探すことにした。

     

     オトリ店はいくつもあるのだが、釣り客がいるとどうも気後れして通り過ぎてしまう。

     ついに最上流部まで来たところで、空き地にコンテナハウスでオトリありますの看板を掛けている店を見つけた。


     誰も客がいないので車を止めた。

     初老の男が出てくる。


     赤銅色の顔には白髪の顎髭が蓄えられていた。

     男はいらっしゃいと勢いのある声でタライに水を張り水槽から鮎をいくつもすくって入れた。


    「ええのえらんでよ」

     と男が僕の顔をじろりと見た。

     こまったな、選べといったって初めてだし、だいたい鮎を自分の手で掴んでオトリ缶に入れるなんてできそうにもない。


     と、躊躇する僕を男は察したのか「入れましょか」と目尻を下げた。

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    自分でもこの物欲は病気だと思っています。
    なんで今頃ゼロドライブ狂・・・。
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    今年初めてアマゴでゼロドライブ竿を手にしてから
    鮎のゼロドライブ竿も二本そろえるとは自分でも予想外の重症です。
    新旧そろい踏み。
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    このスペゼロの細さは驚異的。
    きっとすぐに折れるでしょう( ;∀;)
    覚悟のゼロ!
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    極細糸と小バリでちびアユと遊んできます。
    今日は有田川か貴志川の支流で唐揚げ祭りか?!
    はたまた大雨に打たれて退散か( ゚Д゚)
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     蒸し暑く寝苦しい夜だった。

     家内の横で長男と次男が大の字になっていた。


     僕は次男に寄り添うように寝転がった。

     次男が寝ぼけてしがみついてくる。

     僕は次男の額にじんだ汗をシーツで拭きながら添い寝した。


     その週の土曜日から僕の鮎釣りが始まった。

     早起きをして勝浦川に出かけた。


     鮎釣りは最初のオトリをオトリ店で購入しなければならない。

     オトリ店で最近の釣果情報や釣れるポイントなどの情報も仕入れることになる。


     オトリ店の看板を見つけると僕はドキドキした。

     釣り客が多くたむろしているオトリ店は気が臆して敬遠した。


     行ったり来たりしながら結局一番最初に見つけた民家のようなオトリ店に車を止めると、中から前掛けをしたおばさんが出てきた。

     

    「オトリやね」と訊かれ「あ、はい。二匹ください」とオトリ缶を車から出した。


     水槽から網ですくわれたオトリ鮎がオトリ缶に入れられた。


     一匹五百円なので千円を渡して立ち去ろうとすると「にいちゃん、ブクブクもってないんけ」と言われた。

     心の中でブクブクってなんのことよ? と思ったが「ちょっと忘れてきまして」と答えた。


    「そしたらあんまり遠くに行かれへんなー。このあたりはあんまり釣れへんで」

     おばちゃんが僕の顔をじっとのぞき込む。

     初心者と見透かされたような感じだ。


    「いや、まあ竿が出せたらそれでいいので、このあたりで遊ばせてもらいますわ」

     僕は無理やり笑顔をつくった。


    「そうけ、まあほんならがんばって釣ってください。少し上の赤い橋の周辺がぼちぼち上がってますんでな」

     おばちゃんは目を細めると首にかけていた手ぬぐいを取って大きくお辞儀をした。

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