まいどー! 有田川ダム上の柴崎おとり店です(^^)/

和歌山県有田川ダム上にある柴崎おとり店のサイトです。 鮎釣りの遊漁券とオトリ鮎を販売しております。 鮎釣りの皆さんお気軽にお越しください(*‘ω‘ *) 柴崎おとり店 〒643-0601 和歌山県有田川町押手770-2 ☎073-726-0413

    有田川ダム上の水況などetc.


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    2020年06月

     釣具店なら教えてくれるだろう、と僕は車を走らせた

     釣具店の鮎コーナーには一種類の金属糸が置かれていた。


     まだ、売り出して間もないとのことで買われるお客さんも少ないとのことだ。

     僕は興奮していたが値段を見てため息が出た。


     なんと12メートルで5000円ぐらいもする。

     ナイロン糸なら50メートル巻で1000円だ。


     毎月の小遣いで手の届くものではなかった。

     一度買えば長らく使える耐久消費財でもないだろう。


     買わないのに訊くのは気が引けると思っていたら、都合よく他の客が金属糸のことを尋ね始めた。

     店員の周りに一人二人と聞き耳を立てる輩が集まる。


     金属糸の最大の課題は結節方法である。

     つまり、穂先から垂れ下がる天井糸とその下に位置する金属糸とをどう結ぶのか。


     また、その金属糸から水中部分に没する鼻カン周りの仕掛け糸とをどう結ぶのかが私にはさっぱりわからなかった。

     これまでのようにチチワで絞るといったやり方では金属糸はあっさりと折れてしまうに違いないのだ。


     と、その店員は意外な言葉を口にした。


    「編み付けと言いますが、まぁ女の子が髪をお下げにして編んでいますでしょう。あれですよあれ」

     と店員さんは白い歯を覗かせた。


     その結節方法とは、金属糸の方は全く曲げないでナイロン糸の方を金属糸に巻き付けてしまうやり方なのだという。


    「あのー、ちょっと実際にここでやってはもらえないでしょうか」

     と僕が口をはさむと他の客も賛同した。

     店員はそそくさと店の奥に消えるとロープを手に戻ってきた。


    「こちらが金属糸、こちらがナイロン糸です」

     と言って店員は編み付けを始めた。

     速すぎてよくわからない。


    「もうちょっとゆっくりやってくれまへんか」

     と客の一人が言う。

     店員はもう一度ゆっくりと編み付けを行った。


     僕は目を凝らして観察し頭にたたき込んだ。

     車に戻ってからも、編み付けの所作を何度も手真似で反芻した。


     帰宅してから直ぐに裁縫の糸を取り出し編み付けを試してみた。

     が、なかなかうまくいかない。


     家内が怪訝そうな目で見る。

     子供らはおもちゃでも作ってくれるのかとじっと寄ってきて覗き込む。


     僕は、まとわりついて騒ぎ立てる子供たちをあやしながらも何度も何度も練習をした。

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     私の使っていたナイロン製の糸は0.3号で、一昔前のナイロン糸に比べると格段に細く強くなったと言われていた。

     ところが新開発の金属糸は友人の話によると信じがたいものであった。


     0.1号で直径わずか0.05ミリメートルとのことだ。

     本当なのだろうか。


     オトリ鮎は水中糸につながれた鼻カン周りの仕掛けをセットされると、鎧兜を着て戦場に向かうようなものだろう。

     金属糸ではその負担が限りなくゼロに近づくことになる。


     オトリは繋がれていない状況とほぼ同じだ。

     ナイロン糸の場合は、いくら上手に泳がせても常にオトリに負荷が掛かっているためにオトリが疲れるというデメリットが生じる。


     掛かっているときはいいが、掛からなくなった場合にはオトリは疲れるだけで、それがまた掛かりを悪くすると言う悪循環はどうしようもないことだ。


     金属糸にはそのようなデメリットがほとんどないということになる。

     何時間泳がせてもオトリが疲れない。しかも強い。



    「ただ、金属なので傷がついたり折れるとあっけなく切れてしまうらしいけどね」

     と友人は両手の平を上げた。


     どうやら水中の石にこすれるとトラブルが多発するらしい。

     ただ、これも克服するアイデアがいくつか試みられているらしいのだが。


     とにかく、金属糸によって僕の鮎釣り熱は再着火した。

     踊り場で停滞していた鮎釣りへの探究心が再び活性した。


     金属糸によって自分の鮎釣りの技術が新たな次元へとステップアップできるのではないか

     あんな礼儀知らずの若者にできて自分にできぬはずは無い。


     絶対見返してやる。

     と、そんな気持ちが心の中でメラメラと沸き立っていた。

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    今シーズンは解禁からオーナーのベストを着ていたのですが
    洗濯のために昨日は古いダイワのベストを着て釣りました。

    正直、新しいオーナーのベストより機能的にも着心地的にもダイワの古いベストの方が個人的には優れていると思います。
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    オーナーのベストはポケットがベスト表面とフラットで飛び出ていないので窮屈なのです。

    極細ラインが引っかからないようにということみたいですが
    そんな経験は個人的にはあんまりないんだけどなぁ。
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    その点においてダイワのはちゃんとポッケが飛び出ています。
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    じゃあなぜオーナーのベストを買ったのか?
    と訊かれると

    赤いベストや黒いベストは蜂に敵とみなされるからと聞いたので・・・
    なんでも蜂の天敵は熊なので熊は黒いので蜂は黒を敵とみなすらしいのです。

    一方、白は蜂には見えないとのことで、ステルス戦闘機みたいな白いベストが夏場のいきり立った蜂の季節にはイイのかなと思って買いました。

    で、なんでオーナーかというとカタログで見た時にはかっこよく見えたのです。
    でも、よく考えたら河原でおっさんが格好つけても仕方ないですね。

    モテたい願望の燃えカスがまだ潜在的にどこかに残っていたのでしょうか。
    もっかい滝に打たれてこようー( ゚Д゚)
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     釣り始めると早速一匹目が掛かった。
     僕は得意げに上流に目をやった。

     と、上流は二人とも竿が曲がっている。
     あそこも釣れる場所なんだな、と思って気にしながらオトリを泳がせた。

     ところが二匹目以降が全然掛からない。
     上流は若者が掛かる度に「よしきたーっ」と大声を上げている。

     その声が止まない。
     ずっと掛かり続けている。

     声の回数だけ掛かったとしたら三十匹は軽くい超えているだろう。
     信じがたい出来事だった。

    「あー、釣りすぎて疲れたわ。一休みしよう」
     と若者は、わざと僕らに聞こえるように声を発しているようだった。

     僕らは、全く釣れないところを彼らに見られることになった。
     嫌な状況である。

     たまらず祖父に場所変えを提案した。
     と、若者が「お、そこ止めんの」と馬鹿にしたような口調で寄ってきた。

     僕も祖父も憮然と口をゆがめ、「よかったらどうぞ」とだけ言って帰り支度を始めた。  

     目の前に若者は即座に入って釣り始めた。

     いきなり竿が曲がると立て続けに連続で鮎を釣り上げた。
     「よー掛かるわ。ははは」
     と若者は声を上げる。

     屈辱的な場面に僕は唇をかんだ。
     腹立たしくもあったがいったい釣り方のどこに違いがあるのかを考えもした。
     釣り方に変わりはなさそうだし、ポイントの見方も同じである。

     後あるとしたら仕掛けの違いだけなのかなと思った。  

     後日そのことを釣り友人に話してみた。
     友達は、それは最近出た金属製の糸を使っているのではないのか、と言った。
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     僕は泳がせ釣りを完全に自分のものにしたいと和歌山の河川で練習した。

     主には有田川と日高川だ。


     三年ほど経つと釣果が二十匹を超す日もあった。

     これまでの自分は、マラソンにしても勉強にしてもある程度のところまでいったらそこで停滞してしまうのがおきまりのパターンだった。

     鮎釣りもそのような時期に差し掛かっているのだと自分でも思った


     盛夏、そのような気持ちをこっぱ微塵に打ち砕く出来事が起こった。


     忘れもしない八月のお盆休みのことである。

     久しぶりに高知に帰郷し祖父と一緒に竿を出した。


     祖父は車の運転ができないのでいつも家の下の河原で竿をだすのだが、たまには違う場所に連れて行ってあげようと祖父を別の場所に誘ったところ、祖父も久しぶりに下流に行ってみたいと賛同した。


     二人で下流へと釣り場を探して回った。

     下流は町の方からたくさんの釣り人が来て賑わっていた。


     入る場所がなかなか見つからなかったが、何とか竿が出せそうな瀬に祖父と下りた。

     瀬の上手では二人の釣り人が竿を出していた。


     僕と祖父は先行者のじゃまにならないようにと瀬の下手に竿を伸ばした

     しばらくすると僕のところに上流で釣っていた若い釣り人が下りてきた。


    「あんたな、今から人が釣り下ろうとしているのにそこに入いんなよな」

     と顎を突き出しての剣幕だ。


     僕はとっさにすいませんと謝った。

     が、祖父が「川はおまえだけのもんかっ」と大声を上げて反駁した


     騒ぎに気づいた上流のもう一人の釣り人も下りてきた。

     こちらは落ち着いた年配者だった。


     どうやら顎を突き出した者の知り合いのようだ。

    「おまえの気持ちもわからんでもないが、今日はみんな休みで釣りたいんや。お祖父さんの言われるとおり川はみんなのものや。今日はこの瀬で四人仲良く釣ろうで」

     年配の言葉に若者はしぶしぶ口をつぐんだ。


     祖父も荒い息を徐々に収めた。

     ただ、上に引き上げる時の若者の一言がしゃくに障った。


    「まぁ、影響は無いわ」と鼻で笑ったのだ。

     つまり、僕ら二人が居ても自分たちの釣果に影響は無いとの意味に違いなかった。


     その二人は格好が違った。

     最新のタイツやベストで竿もみるからに高価なものを持っていた。


     一方こちらは古めかしい格好だ

     祖父に至ってはジャージと三度笠のような様相である。


     僕は内心なにくそっと思った。

     泳がせ釣りでバンバン掛けて一泡吹かせてやるぞ、と竿を持つ手に力を入れた。

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